【かたり・れん】どこにももって行き場のない話【11/24の現地リポート】

かたり・れんは「日ごろの労働や暮らしの中で女性たちが感じ考える不満・不安などを語り、立場のちがう話から視野を広げ、それぞれの思いを吐き出し、つながりあう場」です。
今回は、かたり・れんの様子を現地レポートいたしました。
ではでは、お楽しみください。

「3回、道をたずねました。」


今回のかたり・れんは水道橋と神田の間にある神田ひまわりセンター。
だが、場所がわかりにくい。
地図がわかりにくい。
ということで、私含め、複数名が道に迷いまくり。
予定時刻の18:30になっても人がこないなぁ、ぽつん、という状況。
すいません、激しくわかりにくい地図でした。
しかも、連絡先がなかったですね、道に迷いまくったみなさんごめんなさい。


そんな中、「え?場所、わかったよ」というお友達のYさんが出したのは、文庫判 東京都市図(昭文社) 。

文庫判 東京都市図 (文庫判)

文庫判 東京都市図 (文庫判)



「そんなもん、常に持ってんの?!」
「普通だよ」
何事もなかったかのように名札に名前を書くYさん。驚愕。さすが、強いぜ、Yさん。


まあ、そんな人ばかりじゃありません。これからはわかりやすい地図、連絡先、気をつけますね。



かたり・れんでは、まず、受付で名札を書いてもらいます。
「自分がこの場で呼ばれたい名前で」
だから、なんでもいいんです。気分で書いてください。
名札の下にメールアドレスなどメモっておいていただければ、
女性と貧困ネットワークのメルマガに登録しますので、ご希望の方はそのように。

「どこに相談したらいいかわからないし、どこにもっていけば」



かたり・れんでは、個別相談ができます。
人にあまり聞かれたくないことを話せる場がありますので、そちらのみのご利用でもOKです。
専門の相談員が秘密厳守で個別相談を受け付けています。
労働のこと、住む場所のこと、食事のこと、体調のこと、一緒に住んでいる人のことなど、
いろいろと整理のできない内容のままで大丈夫です。
個別のカウンターがありますので、そちらに声をかけてくださいね。
受付で「個別相談、希望なんですけど」といってくださってもいいですよ。

「とりあえず、食べるんですか?」


かたり・れんは持ち寄ったごはんをシェアしつつ食べたりもします。
私も初参加なので、度肝を抜かれる。
「ここは、酒のない居酒屋か?!」と思われるほどの充実です。
おにぎり、味噌汁、漬物、煮物、ケーキ・・・・・。




「とりあえず、食べましょう」ともくもく食べる人々。
つか、とりあえず食べるっつか、食べてばっかじゃないのか・・・・まぁ、うまい。
時間帯が丁度、夕食時のかたり・れん。
差し入れ大歓迎ですので、なにやら、持ち込みつつお腹もいっぱいにしつつお話しましょう。
お腹がすいているとろくでもない話になりますしね。
あ、カンパも大歓迎です。なのに、カンパ箱を持っていくのを忘れました。

「女の人体模型in横浜女性フォーラム」


きっと、迷子になってたどり着けないんだろう。
個別相談は開始し、かたり・れんは開始時間を遅らせます。
さて、ぼんやりとお腹がいっぱいになりすぎて眠くなってきました。
まだ、まったく、語っていません。

そんななか女性運動の生き字引(本人談:生き字引っていうか、かかわってたんです!)のNさんが女の人体模型について語ります。
「人体模型って男ばっかでしょう?だから、石橋初子さんにお願いしてつくったの。22歳の女友達にモデルになってもらってね。みんなに是非、見て欲しいなぁ。」
Nさんはこの等身大女性人体模型の制作にいろいろと携わった方で、石橋初子さんのお話なども聞かせてくれました。



【あたしが、凛よ。文句ある?】

等身大女性の人体模型は、(有)はつ工房の石橋初子さんが、女性が、生と性をいきいきと学習でき、女性の充実した生き方に貢献できる教材として、考案・製作されました。
名前を募集したところ、2003年11月16日〜12月15日に全国から49もの案が寄せられました。審査の結果、名前は「りん」に決定しました。札幌市から来館された早苗麻子さんの案です。
「大地に足を張り、凛と立っているというインスピレーションがひらめきました」と早苗さん。
http://www.toyonaka-step.jp/event/eve-rin.html

女性の等身大「人体模型」は1898年5月13日フォーラムでお披露目されました。これは「女性が自分のからだを知るためには、子宮や卵巣も入った人体模型が必要!」と金属工芸家の石橋初子さんが企画し、医師の丸本百合子さんの監修のもと、大学を出てほやほやの若い女性らが作成を手伝い、完成しました。以来、21年、頭をあげ、胸をはり、足を広げてしっかり3階のフィットネスルームに立っています。
http://www.women.city.yokohama.jp/find-from-c/c-yokohama/blog/913.php5


「ねぇ、ねぇ、今度さ、この等身大女性の人体模型を見に行くツアーをしようよ!」
「ワークショップで子宮を作りたい!」
「石橋初子さんのお話きく会やりたい!」


やりたいことはつきません。情熱たぎって、興奮してきたところで、
「み、道にまよいまして・・・・」という方が数名到着されました。

ご、ごめんね、わかりにくくて・・・・う。

「その服は刺繍のしがいがありそうね」


かたり・れんでは、食べ物のほかにも自分では着なくなった洋服などを持ち寄って、
気に入った人にあげたりします。
「フリマで一つ100円くらいだったんだけど、自分ではどうきたらいいのか・・・」
「洋服、タンスの肥やしになる前に」

・黒の長いワンピース
・レインボーのストール
・毛糸のストール
・黄色のチュニック
・光沢のあるダークグリーンのブラウスなどなど


まだまだ、着れそうなものは再利用。

近頃、刺繍に燃えているUさんは黒の長いワンピースを見て、
「これは、刺繍のしがいがありそうね」とお持ち帰り。

Uさんの刺繍は見ごたえがあります。



これは、ジーパンに刺繍したもの。
女性をテーマとする作品に取り組んだニキ・ド・サンファルのモチーフがたくさん。
ニキの作品は女に勇気や元気をくれます。


できあがってきているのを見るのが楽しみです。


「まずはー、自己紹介?えっと、最近あったこととか、体調のこととか」



Iさんがぼんやり話始めます。
かたり・れんではまず、初めに全員の自己紹介をします。
でも、自己紹介って「私は○○社員で、○○の組織の」みたいなことじゃないので苦手な方でも大丈夫。


Hさんの自己紹介はこんなかんじ。
「えっと、最近は、10日くらいしか生きてませんでした。何かやると3日寝込んじゃって、なんか一ヶ月が実質10日になっちゃって、もう、布団でずーっと過ごしたり。あー、あと、私って習慣つーものがなくて、朝起きても何していいかわかんなくて、余計、もう寝ようとかなっちゃう。朝起きて、すぐフル回転とかおかしいし。ごはんもたべないしー」


他にも今自分が抱えているしんどいことを「どうしたらいいかわからないっつーかわかんない」という感じにいう方とか、長さもいろいろ。
労働の話、家の話、家で一緒に住む人の話、不安、悩み、最近気になったことなど、なんでもよいので、話します。


自己紹介って緊張しますよね。わたしも大嫌いです。
「わたしが何者かを大勢の前で定義してみせる」というのがすごく疲れます。
けれども、かたり・れんの自己紹介はそんなことしなくていいので、とっても気楽。
特に体調のことなどを話せるのがとてもいいなと思います。
かたり・れんに来ていて、元気なふりをしなくてもいい。
「わたし、今、体調悪いんです。元気ないんです」と人と話せる場って少ないと思います。
親しい人ならそんなこといえるかもしれません。
けれど、初めて会って人にもいえるというのは新鮮です。

「じゃ、テーマ別に話す?労働/暮らし」


自己紹介の後はみんなで話したいテーマを決めます。
テーマがたくさんあがったら、数人づつに分かれて話したり。
今回は「習慣/仕事は一生懸命やらんといけんのか?/シェア・ハウス/一緒に住んでる人のこと」などがあがってきました。
そこで、「労働と暮らしに分けましょう」ということで5名づつくらいで話すことに。
ここで、すでに時間もあと30分。
わたしは労働のところで話していました。


・時間外労働
フリーランスは労働法以下
・そもそも労働したくないよ
・つか労働できる元気ない
・お金にかかわらないで生きたい
・労働って賃労働だけじゃないよね


等々普段思っていてもなかなか話す人がいないことを話しました。
あっという間に時間はたってしまい・・・・
みなさんと別れるのが名残惜しいです。
なんか、疲れて、ひきつった顔で現れた人が、向こうのほうで爆笑してるのみるっていいですね。
とにもかくにも今は笑えるんだなぁって嬉しくなります。
ほっとします。


また、かたり・れんにきてくださいね。
何回でも一緒に話しましょう。
つながっていましょう。


次回のかたり・れんは12月24日です。
詳細が決まり次第、こちらのブログで告知しますので、よろしくお願いします。


文責:ナガノ

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