ピアサポ祭り〜「女性の依存症」を語る言葉がなかった〜


2月20日ピアサポ祭りに参加してきました。
最初の体験談では、ピアサポートグループの仲間たちに混じって、
長野さん体験を発表してくれました。
後で、「とてもよかった!」「私もそう!」と話しかけてくれた方もいました。


体験者の生の声がダイレクトに胸に迫ってきて、自分の体験ともシンクロして揺さぶられました。


「女性と貧困ネット」のメンバーの、いちむらみさこさんも
「ノラ」の布ナプキンをブースで販売しました。かわいい布ナプキン
多くの女性達が足をとめて見入っていました。


午後は、綾屋紗月さん、岩川大祐さん、上岡陽江さん、熊谷晋一郎さん、
信田さよ子さんによるシンポジウムでした。


印象的だったのは、これまで「女性の依存症」を語る言葉がなかったというお話でした。
男性の依存症の回復については様々な書籍により紹介されてきましたが、女性の依存症の回復については語られてこなかったということです。


男性は、過去の話をするときに失敗を笑い話にして語ることが多く、
上岡さんが悩んでいると「ぐずぐず言うなよ、病気なんだから」と言われたそうです。
自分が自分を許せなかったそうです。


依存症の回復について、男性と女性が違うということを発表したときも、
「回復の過程は、男女一緒のはずだ」と言われブーイングの嵐だったそうです。


その後、上岡さんは女性の依存症の回復について語る言葉をえて、
「その後の不自由」という本を出版されます。


その後の不自由―「嵐」のあとを生きる人たち (シリーズ ケアをひらく)

その後の不自由―「嵐」のあとを生きる人たち (シリーズ ケアをひらく)

自分自身を語る言葉をみつけていくこと、自分の病気に自分で名前をつけ、
勝手に名前をつける医療者から独立し、専門家から奪還しようと話されていました。


自分の問題にひきつけて考えれば、
「女性と貧困」を語る言葉もまた少なく、
「貧困問題」という大きなくくりの中に埋没してしまっているように思います。
「貧困問題」と言っても、よく考えると「男性の貧困問題」しか語られていなかったのではないかと。
私たちも、自分たちの問題を語る言葉を少しずつでも模索して、形にしていきたいと思いました。(うてつあきこ