【現地レポ】女性の貧困を解消するために必要なこと 第二夜「暴力と女性の貧困」〜女性たちはどんな暴力に直面しているのか?【上】

11月26日に女性の貧困を解消するために必要なこと 第二夜「暴力と女性の貧困」を行いました。
その様子を2回にわたってお届けします。


18:30からの開始ということもあり、お仕事などをなさっている方はなかなか到着が難しい様子。
場所は大崎駅から徒歩5分くらいのところですが、ちょっとわかりずらいこともあり、遅れて入ってこられる方もたくさんいました。
時間と場所の設定はいつも考えをめぐらせるところです。
今回の参加者は26名でした。
前回から引き続きいらっしゃっている方の顔がちらほら見えます。


さて、今回は全国女性シェルターネットで活躍されている遠藤智子さんを講師にお招きしました。
全国シェルターネットの遠藤さんはラジオパープルのパーソナリティとしておなじみです。
「声だけは知ってる」という方もたくさんいたかもしれません。


遠藤さんもお仕事ぎりぎりで走りこんで会場に到着。
みなさん、お忙しいなかかけつけてくださいます。

遠藤さんがパワーポイントの資料で「女性たちはどんな暴力に直面しているのか」を説明してくださいました。

女性たちはどんな暴力に直面しているのか



全国女性シェルターネットの遠藤です。
今日は、みなさんにDVの基本的なことから、案外知られてないことなど話したいと思っています。
わたしがこの活動にかかわるようになったのは個人的には自分の周りにDV事例をみたことから、いろいろとありました。
今は特に、女性に対する暴力を、女性の側から解きほぐさないとだめだと思ってやっています。

まず、DVとは?


暴力が始まる時期は「付き合い始める、結婚する、妊娠する」と加害者が被害者を自分のものと思ったときです。
今は身体的暴力は件数としては下降して精神的暴力が多いです。若年層でのDV事例も増えています。
あとね、避妊してくれないことを「暴力」だと思っていない人も結構いる。「わたしが、ピル飲めばいいから」って。避妊は女性の責任だと思ってるのね。
レシートチェックというものがあります。毎朝、お金を渡して、帰宅したら買ったもののレシートをみる。これ、金額と品物が合ってるかの金額チェックじゃないんですよ。レシートにはお店と来店時間が印刷されるでしょ?そのチェック、つまり、行動管理なんです。何時何分にどこ行ったかってチェックしてるんです。他にもね、携帯GPSでの行動管理など。嘘でしょ?って思うようなものが。これってね、全国にある団体の人と話すと「あ、うちもそういう事例ありました」って驚くほど似てます。それって、加害者が似てるからなんでしょうか?

DVの被害実態


何の数字かわかりますか?
「3人に1人がDVを受けたことがある」
「10人に1人は何度かDVを受けている」
「20人に1人はDVで命の危機にあっている」
「3日に1人は妻が夫に殺されている」
「1年間に73000件、公的な機関にDV相談があり」
「一年間に12000人が、一次保護(家を出てシェルターなどに逃げる)されている」
これは平成21年の内閣府の「男女間における暴力に関する調査」に出ている数字です。

そして、性暴力

注目して欲しいのは加害者が圧倒的に「知り合い」というところ。

レイプ被害は7割が20代までに起きる


レイプされたことがあると答えた人は全体で7.8%です。これって、100人のうち8人ということです。つまり、学校のクラスだと何人かしらね?40人くらいだから、3〜4人はいるということになりますね。


レイプ加害者の75.6%は「知っている人」


これ、よく見てくださいね。「よく知っている人」が61.9%です。よく知っている人って誰でしょうね。よく考えて欲しいです。

ターゲットを定めるときの真理



この内山絢子さんの調査、あまり読まれてないんですけれど、是非、読んでください。
ターゲットを決める要素は「おとなしそう」であることです。

参考資料:
警察時報
●10月号『予想論述問題集(法学編) 』
性犯罪の被害者の被害実態と加害者の社会的背景(上)
●12月号付録『徹底分析 最近の昇任試験問題』
性犯罪の被害者の被害実態と加害者の社会的背景(下)
http://www.k-jiho.com/pages/backnumber/backnumber00.html

被害者はなぜ選ばれたか


「おとなしそうで届け出ないだろう」と思われる人が選ばれるのがよくわかります。

そして、暴力体験は重複することもある


交際相手から何度も暴力があったと答えた女性は25.6%で1、2度あったと答えた17.4%を上回ります。
はじめて暴力があったときに手を差し伸べられなくて、彼女の中で回復しないまま社会に放り出されてしまったのではないか?

シェルターネット調査


性虐待も考慮しなければならない


加害者は実父が圧倒的です。

暴力を実感しにくいのはなぜか


暴力を訴えても、周りに暴力関係があふれていると「がまんしなさい」といわれてしまう。

刑法は被害者を苦しめている

被害者が立証責任を負っていることが、多くの困難を引き起こします。

刑法以外の法的課題


就労が困難な実態


配偶者からの暴力の被害者の自立支援等に関する調査


暴力被害者支援


ラジオ・パープル
http://radiopurple.org/


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